高層ビルや住宅街がひしめく東京にも、エアポケットのように下町風情が残る場所がある。池袋から徒歩圏内にある雑司ヶ谷がその一つで、鬼子母神堂の参道や本堂で静かに売られているのがこの「すすきみみずく」だ。
コロンとまぁるい体つきに赤い耳、素朴な顔立ち。ススキを結って作られた体はふんわりと柔らかく福々しい。誰が作り始めたのかは定かではないが、歌川広重(1797年~1858年)の「雑司ヶ谷図」にその姿が描かれていることから少なくとも200年前くらいから江戸の庶民に親しまれていたことが分かる。

左端の子供が肩にかけているのがすすきみみずく。
正面に描かれているのは雑司ヶ谷の料亭「茗荷屋」で、現在では「雑司が谷観光案内処」に姿を変えている。
戦争や原料のススキが手に入りにくくなったことで一時存亡の危機にあったが、現在は保存会の方々により製作が続けられている。
鬼子母神の由来を書いた短冊や民話に由来する蝶と一緒にゆらゆらと揺れるみみずくは、不意にじっと見つめあってしまうような不思議な目力がある。
入手場所:雑司が谷観光案内処

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